末期ケア
残念ながら、慢性腎不全、慢性心不全、末期の腫瘍、老衰など、すでに積極的に治療を行う時期ではない状態であると診断されることもあります。
しかし、完治は望めなくても、残された時間を苦痛が少なく、できうる限り穏やかに過ごさせてあげたいと思う気持ちは誰でも同じではないでしょうか。
旅立つ前の期間は、旅立ちのための準備期間かもしれませんが、家族として一緒に過ごしてきた飼い主の皆さんには心が張り裂けそうにつらい時期でもあります。
しかし涙ばかり見せていては、病気の動物たちにかえって不安を与えます。
残された時間を大事に使いましょう。自宅で飼い主の皆さんと過ごすことが一番のお薬かと思いますが、そのためには悪くなってからの対処ではなく、悪くならないように維持する方法を考えなくてはなりません。
残された時間、動物たちが心穏やかに過ごせるようにすることが末期ケアの医療であり、完治するための医療とは異なります。そのことをお互い理解した上で、症状にあわせたプランを考えます。
残された時間が後どれくらいかを考えるのではなく、たとえ明日別れるようなことになっても悔いのない時間の使い方を考えましょう。